「見かけ上生理みたいな出血があるけど、月に2回あったり、少量の出血が2週間以上続いたり、これって生理なのか不正出血なのか、どっち?」とよくご相談いただきます。20代〜30代の10人のうち3人ぐらいは、なんらかの生理不順をかかえておられます。

正常な月経周期(生理が始まった日から、次の生理が始まる日までの日数)の定義は、25日〜38日ですが、見かけ上生理にみえても、排卵していない場合を

無排卵周期症といいます。

 

*生理周期の一連のながれ*

毎月1個ずつ排卵するためには、卵子の入った卵胞が左右の卵巣どちらかに育ちます。その卵胞からエストロゲンという女性ホルモンが分泌され、子宮内膜の増殖分裂を促し、子宮内膜を分厚くします。そして、生理開始後2週間で無事に排卵すると、今度は卵巣からプロゲステロンが分泌され、ふかふかのベッドをつくって、受精卵がベッドにもぐりこんでくる時(着床)を今か今かと待っています。排卵後約2週間、着床が行われないと、プロゲステロンの分泌が止み、子宮内膜のベッドのシーツを新しくするために生理がおこります。

 

ところが、排卵がおこらないと、高エストロゲン状態のまま、子宮内膜が増殖を続けてしまいます。内膜が分厚くなりすぎて、内膜の一部の血管から出血し、見かけ上、生理のような出血がおこります。でもこれでは子宮内膜ベッドのシーツは新しくならず、長期的にこの状態が続くことが、若年性子宮体がんの発生に関連があると言われています。

無排卵周期症の原因については、日頃のストレス、過度なダイエット、激しいスポーツ、甲状腺の異常、服用しているお薬の影響、多嚢胞性卵巣症候群など多岐にわたります。原因によって、対処法は変わりますが、原因を取り除くこと。そして、定期的にホルモン剤で生理をおこして内膜を新しくしたり、妊娠希望の方には排卵誘発剤を服用していただきます。

 無排卵周期症は、詳細な生理周期の問診や基礎体温、超音波、血液検査で診断いたします。気になる方は一度ご相談ください。

      Dr.ゆかこ