更年期症状のはじまりとして、最も典型的なものが、「血管運動神経症状」、別名「ホットフラッシュ」と呼ばれる「ほてり、のぼせ」があります。

 急に大量の汗をかいたり、顔が赤くなることで、人前、外出時や職場でも気になり、気が重くなったり、沈み込んだりするケースも多くみうけられます。

 閉経期近くなると、卵巣からのエストロゲン分泌が減少することで、脳の視床下部、下垂体から分泌される卵巣に刺激を送るホルモンの指令系統が混乱をきたします。視床下部は自律神経の中枢ですので、これにより、自律神経にも混乱が生じて、血管の収縮や拡張の調整がうまくいかない結果、生じる症状です。

このように更年期は誰もが迎える節目ですが、生活に支障がでたり、どうしていいかわからない場合は、ぜひご相談ください。

症状の深刻さは、一緒にいる家族でさえも、なかなかわからないものです。

そういうときこそ、専門のクリニックに、ためらわず率直にご自身のことを打ち明けることで、問題が解決することがあります。

当院は更年期症状の方の治療に積極的にとりくんでいます。

 

主な治療法には、生活習慣の改善、漢方療法、ホルモン補充療法(HRT)があります。

その方の背景に応じて、十分な説明のもとに、一人ひとりにあわせた治療法を選択しています。

薬を処方したから終わり ではなく、薬の効果がどれくらい出ているか、副作用はないかなど、医師も一緒に症状改善に取り組んでいきます。

次回は、ホルモン補充療法について、お伝えします。                                                             Dr.ゆかこ