こんにちは。Dr.ゆかこです。

今回は、引き続き更年期症状の対処についてお伝えします。

 

前回は、更年期はさまざまな体の変化が起きる人生の節目であることをお伝えしました。

不安定な時期ですが、からだのサインに耳を澄ませて、起きていることを客観的に知り、対処法があるとわかるだけで、不安や不調が和らぐことがあります。

 

まずは、今日からできること

  • バランスのよい食事

生活習慣病や骨粗鬆症が気になり始める更年期からは、コレステロールや塩分を控え、カルシウム、ミネラル、その他栄養バランスの整った食事をとるように心がけましょう。

  • 適度な運動

ストレッチやウォーキングなど、気軽に始められ、長く続くものがいいです。軽い運動は肩こりや腰痛、膝痛の緩和にも効果があり、不眠やストレス解消にも役立ちます。結果的に血圧やコレステロール値が正常化することも期待できます。

 

いざ、婦人科に受診となるとその方にあった治療法を選択するために、必要な検査があります。

  • 問診(おからだの状態を知る)●血圧、身長、体重測定
  • 血液検査●子宮や卵巣に異常がないかの検査●乳がん検診

 

婦人科で扱う更年期症状の治療法には、漢方薬とホルモン補充療法があります。

  • 漢方薬

更年期症状だけでなく、からだ全体のバランスを整え、こころと体を健やかにする治療です。ホルモン補充療法が適さない方にはまずお試しいただきたいです。

  • ホルモン補充療法(HRT)

女性ホルモン欠乏により引き起こされた症状をエストロゲンそのもので補うことにより、軽減させる治療です。

前回、お伝えした「ほてり、のぼせ」には特に即効性があると言われています。

また閉経後に心配な動脈硬化や骨粗鬆症の予防にも効果的です。最近は、おしゃれなパッケージで、お肌に塗るジェル剤なども登場し、胃腸の弱い方にも好評なようです。ただ、どんなお薬も体によい利点とリスクがあります。

長期的に服用する場合には、気をつけなければいけないことがあります。血栓症、脳卒中、心筋梗塞などの注意の必要がある方は、医師とよくご相談ください。また乳がんについては、現状では5年以上HRTを続けた場合にリスクが上昇すると言われています。乳がん罹患率の高い状況からすれば、HRTをしてもしなくても検診を受けていただきたいものです。その他、様々なリスク因子がありますので、医師とよく相談されて、安心して治療をされることをおすすめします。

日本女性の平均寿命の延びは世界を牽引し続けています。閉経後の30年、心も体も無理なく、自分らしく、笑顔輝く生活を送っていただきたく、お手伝いをいたします。

        Dr.ゆかこ