開業してから、相談いただくことが一番多いのが、実はこの悩みです。

最近はじめて痒みを自覚したという方から、長年、他の病院でかかっているけど、よくならないなど、様々な方が来院されます。

強い痒みの原因として、一番多いのは、カンジダという真菌感染によるものですが、来院いただいた方の中には、原因がなんだったかわからないくらい慢性的な湿疹になっていることもしばしばです。

ここで、Itch scratch cycle(イッチスクラッチサイクル 痒み〜掻くの悪循環)についてお話します。

早口言葉みたいな標語ですが、かゆみの特質を上手に表しています。

痒みとは、皮膚に認められる特有の感覚で、痛み刺激と同様に、皮膚に何らかのトラブルが発生した場合に、異常を知らせてくれる警報のようなものです。

掻くことでこれを解決しようとするのですが、掻くこと自体が炎症を悪化させ、かゆみ自体を増強させてしまうことです。

 

かゆみ→掻く→皮膚の細胞が傷つく→サイトカインという炎症物質放出→

皮膚炎悪化→さらに、かゆい!!→また、掻く!!→→・・・・・

 

この悪循環を断つことが治療の基本になります。

なるべく掻かないでいられるように、悪循環の原因になっているものを一緒に探しましょう。下記に思い当たることはありませんか。

過度な膣洗浄や、洗剤の使用、排尿後の過度な拭きとり、おりものシートの使用方法や、薬の副作用など。

長期にわたる慢性湿疹・かゆみの場合は、治療に時間がかかることもしばしばです。でもあきらめずに一緒にがんばりましょう!