生理不順の原因はたくさんありますが、まず生理が来ない時に気にしていただきたいことは、「妊娠していないかどうか」です。

「最近、ちょこちょこ出血しています」とか「生理が2ヶ月来ていない.ずっと不順だから気にしてなかったけど」と来院され妊娠してたというのは、珍しい話ではありません。

 ですから、毎回見落とさないように慎重に問診をしています。

 

その他の生理不順の原因について、1つ1つ皆さんにわかりやすく説明してまいります。

 

まず1つ目が、「体重減少性無月経」、つまりダイエットで体重を減らしたあとに生理が来なくなることです。

卵巣からのホルモン分泌が低下して生理が止まってしまうのですが、

普段からその卵巣へ命令しているのは脳の「視床下部・下垂体」という場所です。

この視床下部は、卵巣へ司令塔の以外に、呼吸や体温調節、自律神経の調節といった生命維持の中枢でもあります。つまり生きて行くために一番大事な働きをするところですが、それ故に、仕事の優先順位をつけることが非常に得意です。

時として急激なダイエットや大きなストレスに直面し、体に危険が及んださいに、視床下部はまず生きて行くためにどうすべきか瞬時に判断し、卵巣への指令はさっさと切り捨てて、生命維持に専念します。

これは非常に合理的な判断です。生命に危険が及ぶような状況で、生理を起こして貧血や栄養失調を助長することや、ましてや妊娠することは致命的です。

つまり、生理が止まるということは、一種の防御反応とも考えられます。

ただ、長期的にみれば、骨粗鬆症になったり、女性らしさや女性としての美しさが損なわれることになるかもしれません。時として、命に関わるダイエットもあります。

気づいていただきたいことは、急激なダイエットは、それだけ体に負担がかかっているということです。ゆっくり体重が減るダイエットや、短期間のダイエットでも、こうした反応は起こりえます。ダイエット中の体は予想に反してかなりの戦闘モードです。

ただ、長期にわたる無月経は治療に難渋することもあります。気になる方は まず一度ご相談ください。