これまでは、医師が患者さんに、医学的根拠(エビデンス)をもとに治療方法のメリットやデメリットを説明した上で、治療方針を決定するのが一般的でした。「十分な医学情報を知り得た上で治療方針に同意する」という意味のインフォームド・コンセントという言葉をご存知の方もいらっしゃると思います。
しかし近年、医療技術が進歩し、治療方法も多様化しています。またライフスタイルや価値観も多様化しています。そのため、医学的根拠に基づいて決めた治療方針が、患者さんのスタイルに合わないものになっていたかもしれません。
そこで、医師が患者さんとのコミュニケーションのなかでライフスタイルや価値観を共有し、それを治療方針に反映させることで、より患者さんに合った選択ができる可能性があります。
これが、shared decision makingの考え方で、「共有意思決定」と訳されます。
ただし、世の中に出回っている医学情報には、十分な医学的根拠があるものだけでなく、まだ検証中で結論が出ていないもの、根拠がないけど信じられているものなど、いろいろなものがあります。
当院では、十分な医学的根拠とともに、患者さんとのコミュニケーションによって、充実した医療を提供していきます。